ほぼ最高傑作。戯作者志願の太り気味の主人公の町娘が紀伊之国屋文左衛門の半生の謎を 調べていくうちに、思いもよらぬ大がかりな陰謀を見付けだし、その真相に迫ってい く謎解き風の物語。やっぱり、むささび五兵衛(お仙のおとうさん)やら、倉地のだ んなの養父やら、の米村ワールドの先祖たちが中心(脇役)となった話。 さて、倉地政之助がお仙と結婚するってえのはどこかに書いてあったっけ?
一方、主人公はいわゆる腐女子だ。 戯作書きを自らの生業にしようと、世間の知らぬ筋書きを見つけだし、それを脚色し ようとする主人公の行動原理は、筆者本人を代弁したものというより、まるで井上ひ さし作品のどれかのような。作品中に何度も何度も出てくる、他人が喋べる文左衛門 の噂話はフォントが変えてあって軽妙な語り口調が特徴の米村作品に新鮮な印象をも たらしている。登場人物の中で、主人公にハナシを語って聞かせないのは、主人公の み。
町娘→商人→侍→幕府→公家→徳川御三家と話が展開していくのは、もともと大名の 娘だったり、先手忍の娘だったり、大名の娘だったりした、これまでの作品(いや、 この本は古い作品なんだけども)よりも大がかりで、意外な真相に迫っていく感じが 出ている。一方で最近読んだ紅無威おとめ組と縁切寺を使ったところでは共通点があ るなと思ったけど、紅無威おとめ組は退屈姫君よりも後の時代設定なのか。
どんな風に事実と仮想を織りまぜたのか知らないけども、リアルタイムで進行形の陰 謀に巻き込まれながら、主人公が事実にたどり着いて決着をつけさせ、脇役にはそれ ぞれの立場と感情と史実と米村ワールドのふたつの歴史を与えてあるというところ、 それと分量的にも読みごたえのある長編だったというところで、今年は酒見賢一の新 作が出なかったけども、だったら、出版されて随分経つ(だいぶ前に買ったけど、長 くって手を出してなかった)これが1番かなという評価でござい。
グインサーガとどっちが歴史を描いているんだ?これで溜めていた小説は全部読んだかも。後はThe Art of Rigging vol.1を急いで読 み終わらせて、その頃にはグインサーガ105が出るから1日で読んで、それが終わった ら、やっと、The Art of Rigging vol.2に取り掛かれて、それが終わったらハリーポッ ターの最新刊を買って読めるかもしれない。でも、英語版ハリーポッターを読み終わ る日が来るとは思えん!! orz.

